近視系の人の視覚の特徴

40代中ごろの女性A様。これまで日常は近視用メガネを常用されておられます。最近、パソコンをする時間が増えて、パソコン画面を見るのに、不便を感じることがある。また、買い物やカラオケ、旅行先でも、遠くを見て、近くを見る時は目をこらして疲れる。一生懸命みていると、さらに違和感を感じ、見にくいのでメガネを外して、近くをみている。とおっしゃいます。もっと長時間使用しても疲れない、掛けやすいメガネが欲しい。とお越しくださいました。
 A様はこれまで単焦点の近視用メガネを常用されていましたが、近くを見る度数が変化して、いわゆる老視を感じられて来られた用です。近視の方は近くはメガネを外せば見えるので、ついつい外す癖が着きます。しかし、長時間繰り返すと眼精疲労を起こします。そこで今回は遠近両用をお勧めしました。

これまで単焦点の近視メガネを常用されてる方は、次のようなケースがあります。
1.近見時はメガネを外して見ていた。  (このケースが多い。)
2.近見時もメガネを掛けたまま見ていた。(強度の近視の方に多い。)
3.近見時は別のメガネにかけ替えていた。(ごく弱度か、強度の近視の方。)
4.メガネは持っているが日常は裸眼ですごしている。(必要な時だけ使っている方。)
 今回調整する遠近両用メガネは、常用することが前提です。その場合の遠用度数は、通常の近視単焦点メガネ処方の時と基本的には同じで良いのですが、遠方に対する視力がしっかりと出ていたので、遠近累進にする遠方の側方視が、少し視力が落ちる(ぼやけて見える)と、いうことを考慮に入れて遠用度数を選ばないといけません。つまり、これまでの単焦点度で、S-3.50で1.5の視力が出ていて、測定の結果、今回もこの度数でいけそうだと思っても、遠近両用にした場合、「真っすぐ遠くを見た時は、良くても、横目で物を見た時に、ぼやけが多くて見えにくくて困る。」ことがあるわけです。
 ですからこんな場合であれば、S-3.75で度を強くして累進レンズの性質を確認して、遠方をハッキリさせると視界がやや狭くなるのを我慢してもらうか。それとも同度数でより視界が広くなるように性能の質を上げるレンズを選ぶかです。メガネの用途やご本人の性格を考慮に入れ相談の上、今回は遠見視力、近見視力共に見やすいレンズで質を上げることに決めました。これで日常生活がとても便利なメガネになります。