メガネ作り・・・度をゆるくあわせたメガネが良い??

今月は63歳Y様、女性の方の事例です。
 現在、Y様はコンタクトを使用されておられ、その上からメガネを常時かけておられます。約1年前にご近所の眼鏡店で作られたメガネは、矯正視力が0.4しか見えないメガネで視力が出ないと言われたそうです。
 しかし、最近、車の運転は何とか出来るが、手元を見るのに不便に感じると、たまたま通りかかった当店へご来店くださいさいました。お持ちのメガネは軽度の遠視のみの専用メガネで、遠くも近くも見るようにご使用されていましたが、殆ど遠くは見えていません。他にご持参されませんでしたが、度付きのサングラスや日常眼鏡も沢山お持ちですが、内容はわかりません。 これ以上見えないものと思っておられました。

早速検査しました。かなり度数が違いました。
結果、Y様は、中程度の遠視+中程度の近視性乱視で、老視の程度はやや中度くらいです。視力は右=1.2 左=1.0と視力が出ました。これだけでしたら、あまり問題は無いのですが、かなりの外斜位がありました。
 隠れ斜視が大きいと眼精疲労が起こりやすかったり、立体視(距離感)が悪かったり、目の運動能力が低下し、スピード感や正確さが落ちることがあります。隠れ斜視はメガネの合わせ方や目の使い方に問題のあるケースが多く見受けられます。 Y様のように軽過ぎる遠視のメガネを常用していると、輻輳と調節の関係が明らかに狂ってきます。調節性の輻輳が働かないために、近用にしても近接性輻輳(実際の指標が近くにある場合におこる輻輳)がカバーしています。そのため近用にも大きな外斜位が出ます。
 この場合は遠用・近用を別々にするか、できれば遠近両用レンズを常用として作る方が良いと思います。
 今まで中途半端なメガネで遠くも近くも見ておられたのでしょうが、
しかしいつまでもそういう訳にはいきません。調節力はもっと弱くなってくるわけですから…。
 処置、プリズムレンズを左右に入れ遠方のみ及び累進でテストした結果。累進遠近両用メガネのほうが問題が少なく、累進レンズに決まりました。1ヵ月後、長時間の使用にも問題はないと言うことです。