視力の低下 読書が苦手—-その原因は?

今回の事例は14歳中学3年生の男の方です
眼鏡装用経験なし。黒板を見る時、物がダブル。3年前から少し見ずらかったがあまり気にならなかった。黒板を見てから近方のピント合わせが時々困難だったそうです。健康状態は良好で、アレルギーはあるが、特別な薬は服用していないとのこと。当店へお父様と初めてご来店されました。

T様の検査結果
右目裸眼視力= 0.3 左目裸眼視力= 0.4  近方視力右目= 0.5 左目= 0.6
矯正視力右目= 1.0 左目=1.0 右目は軽度の近視 左目は 軽度の近視+斜乱視= 視力(見え方)は良好です。右眼と左眼、それぞれ見えているだけでは「両眼視している」とは限りません。T様は遠方から近方に視線を移し本を読むのが苦手、スマホを見ると目が疲れやすいとのこと。そこで「両眼視機能検査」を取り入れました。
両目の協調性=遠見時、外へずれています。近見時は遠見時の3倍のズレがありました。
その為、近見時は隠れ外斜視で本は常に読みづらかったのです。かくれ斜位が大きいと眼精疲労が起こりやすかったり、立体視(距離感)が悪かったり、目の運動能力が低下します。
要するに見たいところに視線が寄らずに頑張って見つづけているので疲れてしまうのです。これは学校で行われる視力検査では見つかりません。
T様の場合は「プリズム」と言うレンズで矯正し、眼球運動のトレーニングを取り入れることで改善されるでしょう。後日T様から「黒板の文字もはっきりし、文字の視写もスムーズにでき能率が上がった」「読書をするようになった」と1ヵ月後連絡がありました。
現在では問題なくメガネを使用されています。
残念なことですが、隠れ斜視の検査はほとんどの所で行われていないようです。