長期ご使用メガネの度数で見えていますか?

先月号に続き 20年以上も同じメガネをお使いです。75歳女性 K様です。
メガネが古くなったので、「遠くも、手元も見えにくくありませんか?」「目は疲れることはありませんか?」等々をお伺いしてみると、遠方も近方も少し見えにくいそうです。
この際、20年ぶりですので、角膜・硝子体・水晶体3つの中間透光体などの検査をお願いし眼科へ行っていただ来ました。 ご使用メガネは20年前は、近用専用として使われていたメガネは現在、
  右 RV=0.2遠視性乱視⇒S+1.00 C-1.00AX90°
  左 LV=0.2混合乱視 ⇒S+1.00 C-0.75AX90° 近用は 0.2しか見えないメガネで、
いつの間にか遠方用メガネととしてR=0.4 L=0.4 で常時使用するようになっていました。
 最近、近くも遠くも見えずらいのに気が付かれたようです。
一方、よく古くなった老眼鏡を遠方用(テレビ様)としして使用する方が、結構おられますが、これはとても恐い話です。
K様の眼科での結果は、加齢による白内障の混濁があるが、今ところ問題ないとのことでした。

早速測ってみました。
    R=S+1.00 C-3.25 AX140°
    L=S+1.00 C-2.25 AX45° (Sは球面 Cは乱視 AXは軸方向を表しています。)
  この度数で馴染むかどうかということに関しては、色々な要素があって、一概に言えません。
 先ず、右の乱視C-3.25は強度の乱視です。C-2.25はやや強い乱視であまり処方しませんが、視力が
 出ないので、ここから強度の乱視の可能性をチェックしていって、それでも視力が出ないのであれば、 この視力障害は、主たる原因ではない疾患的なことが原因ではないだろうと見なし、今回は乱視の軸 を、斜乱視を倒乱視とし軸を変えました。お作り頂いたメガネの処方は
          RV=0.5 S+1.00 C-3.00 AX90°
          LV=0.7 S+1.00 C-2.50 AX90°
 これで近用30cm。新聞は40cmで見えるように、遠近両用メガネをお作りしました。
こういうケースは難しい視力の不同視の例題です。前眼鏡の度数や装用テスト等によって、慎重  に決めました。1か月後の再調整では、問題はないとのことです。