「近くが見にくい」A様を悩ます様々な本当の原因とは? 

A様、60歳 男性の方 主訴は仕事で、細い丸い点を上から印をつける時に点がズレてしまうので、ズレないようにハッキリ見えるようにしてほしいとのことでした。
 近く30cm~35cmの距離で極々細い穴(1mmの丸い穴)がいつも右にズレてしまう。
正確に見れる眼鏡を作ってほしいとご来店下さいました。

お身体の症状は肩こり、高血圧のお薬を飲んでおられます。現在の眼鏡は、遠方は右目⇒近視の軽中度、左目⇒度なしで掛けておられます。仕事用は右目⇒度なし、左目⇒軽中度の老視メガネを掛けておられます。果たしてA様を悩ます様々な本当の原因とは?

検査の結果  「不同視で隠れ斜視」でした。
  ご使用メガネで 右目=遠用S-1.50/近用1.5ADD 左目=遠用S0.00/近用1.75ADD です。
 左右のバランスが良くありません。右目=近視ではなく近視性単性乱視。左目=度なし(平面)ではなく遠視性の混合乱視。どちらにも乱視が検出されました。
 特に手元での作業が多いわけですから問題が起きます。遠方は右目のみで見て、近用は見ていません。
近方は左目のみで見て近用は見ていません。いわゆる不同視と申しまして、目(脳)は自然と楽な方を選択し、不同視の差が大きくなり両眼視なし⇒斜視化(眼位のズレ)が大きくなります。 左右のバランスを改善すると日常の目は片眼視ではなく両眼視できやすくなります。

A様はお仕事で特に近方(遠方も)が問題ですので近方外斜位が大きく、輻輳近点テストで目力が弱い。複視後の回復点の測定で両眼視機能低下と思われます。ご使用メガネは近視・遠視・乱視共に矯正が弱すぎました。また、不等像視テストでは、不等像視が3.5%未満でしたのでこれは問題ありません。
 特に仕事で大きな外斜視を矯正しましたのでお仕事も楽になられた様です。50日以降の再来店時には、余力ビジョントレーニングをご紹介する予定です。これによってさらに楽になられることでしょう。