自力V復活!!

シーズンが始まって2か月余り。54試合目で阪神の自力優勝が消滅した。今季を象徴する13度目の零封負けだった。初めて対戦する相手先発の左腕。佐藤の状態は決して良かったわけはない。ただ、それ以上に阪神打線が対応出来なかった。(阪神相変わらず、初物には弱い。)リーグトップの防御率2.76とは対照的に、打率は2割2分2厘と最下位。シーズン当初と比べ投手陣は安定してたが、ここまで半数以上で2得点以下と低調な打線が現在地の大きな要因だ。西武対阪神、甲子園2戦目、チーム打率がリーグワーストの打線のテコ入れを図ろうと、思い切った策に出た。下手投げでクイックモーションに難に西武の右腕・与座に対し、阪神は、1.2.3番に俊足の左打者を並べた。「足」で圧力をかける作戦は見事に的中した。
 口火を切ったのは4/12以来となる今季2度目のトップバッターを任された島田。「分からないピッチャーだから見て後手に回るのではなく、差し込まれないようにしっかり振っていこう。」と一回の与座の外角への変化球を中前に運び、出塁した。続く中前の打席。カウント1-1からエンドランを仕掛け、中野は見事に内角高めの球を右前に引っ張り一気に一、三塁と好機を広げた。ここで息つく暇を与え無かった。3番近本の初球。西武バッテリーが、足を警戒する中、中野は悠々と二盗に成功。近本のボテボテの遊ゴロの間に島田が生還して先制した。
 三回も、島田の右前打ちをきっかけ1死一、三塁のチャンス。4番佐藤輝の1球目に、すかさず一塁走者の近本が二盗を決め、攻撃のリズムを築いた。勢いづいたチームは、佐藤輝の適時打、大山の左越え3ランで、この回一挙4点を奪った。
 前夜に消滅した自力優勝の可能性は1日で復活。俊足トリオを並べた。上位打線が機能し、交流戦の勝率を5割に戻した。反転攻勢の6月になってほしい。