不同視(左右の視力に差がある見え方)による違和感。

62歳の女性です。
4年前に他店で誂えた読書用メガネの度数です。右目近視=S-3.50 左目近視と乱視=S-3.25C-0.75AX90°
以前はこれでも見えていました。しかし、最近になって近くの文字が見えにくくなってきたので、メガネを外している。これは、近くはやや距離を離せば、ある程度は見えて便利なので、今後も使えそうだが、近くを裸眼で見る時に、何だか物をよせすぎの感じで見にくいので、楽に近くが見える近く専用メガネが欲しいとのことです。  左右の近視の度数の差はなく処方されていました。

  早速測ってみました。
 R=(0.8×S-11.75AX90°) L=(1.0×S-5.25 C-1.00AX80°)A様はこの眼鏡で近くは、左眼を利かして見ておられた分けです。今の右眼の度数からすると、前眼の右レンズは加入度数が8.25D以上になりますから、右レンズの視距離はおよそ眼前=~12cmくらいで、両眼視するには、輻輳がつらく、それでついに裸眼にして左眼の遠点付近で、物を見る傾向が出来ていたのでしょう。
 それで、今回はやはり左眼で普通の読書距離にピントが合うようにし、右眼も、出来ればもう少し前のメガネよりも、視距離を長くして見たいという希望です。

て便利なので、今後も使えそうだが、近くを裸眼で見る時に、何だか物をよせすぎの感じで見にくいので、楽に近くが見える近く専用メガネが欲しいとのことです。  左右の近視の度数の差はなく処方されていました。

 先ず、①左眼は、L=S-2.75 C-0.75AX85°でA様が臨む距離となりました。②次に右眼ですが、
試しに、R=S-5.75 C-0.75AX95°としてみました。すると快適読書距離は、眼前16cmとなり、短時間なら両眼視しても、物を見ることが出来ます。しかし、装用テストをしてみると1分もしないうちに「何だかおかしい。」とのこと。今まで使っておられたメガネの左右度数が、ほぼゼロなので、やはり3Dもの差を付けると無理があるのでしょう。
 そこで、次に③右眼をR=S-4.75C-0.50AX90°とし、装用テストをすると、2~3分後「まだ、少しおかしい。」とのこと。④更に次は右眼=S-3.75C-0.50AX90°としました。これは「OK}でした。
 今回は右眼眼前12cm位がハッキリと見えてます。少しの間なら両眼視できます。(但し、その時左眼はもちろんぼやけてしか見えていないです。)
 結局、次の度数で近用メガネで処方しました。④のR=S-3.75C-0.50AX90度 L=S-2.75C-0.75AX85°
です。遠方よりも近方の方が左右度数差があっても、不同視に耐えやすいものです。