車が急に運転できない！

　70歳代のA様男性です。運転中に左を疑視した後に頭がふらつく。道路のセンターラインがＹ字型に割れて見え、「運転が怖くて出来ない。何とかならないものか？」と来店されました。3年ほど前に作ったメガネは、右目＝中度の近視+近視性乱視、左目＝軽度近視＋軽度乱視のメガネで遠くは良く見えている。「新聞などの手元も見えている。細かい文字を見るときは、メガネを外して見るので別に困らない。」とのことです。お仕事は毎日サンディで、趣味が運転と釣り、パソコンも毎日６時間ぐらいなされます。特に遠出されると高速を何時間も運転され、センターラインが二つに見えて不安で困ると訴えてられます。目の症状は、軽い白内障と１０年前に網膜裂孔で治療をされています。目が疲れやすいとか、肩が凝るとかはないが、眩しさとか、霞はあるとのことです。年齢は３～４才お若く見えました。

　早速、検査をしてみます。
ご使用メガネは、右目＝近視S-3.00D　乱視C-1.75DAX90°左目＝近視S-2.50D　乱視C-2.50DAX９０°の倒乱視で慣れにくい眼鏡でした。球面度数を落とし（弱く）乱視度数を落とし（弱く）乱視の角度を（水平、垂直方向）にして慣れやすい方向に配慮しました。
　処置；右目＝S-2.50　C-2.25AX90°　左目＝S-0.50　C-2.25AX90°
近視は一般に外斜位が多いのですが、Ａ様場合は内斜位でした。この場合輻輳に過多な調節緊張症が起こっている可能性もあります。その他、上下斜位も対処する必要があります。
※近視の内斜位の例は比較的少ないので、これは近視と内斜位がそれぞれ単独で起こっているように見受けられました。
測定結果：R＝0.7XＳ-2.50Ｃ-2.25ＡＸ90°0.5プリズム外方　Ｌ＝0.7ＸS-0.50C-2.25　0.5プリズム0.50外方　装用テスとをして問題はなかったので、上下プリズム右△1.0ベースアップは生理的なもので今回は処方せず、ベースアウトだけで掛けて頂きました。
　1か月後、道路がＹ字型に見えることもなく、地面がベースアウトで凹むこともなく、快適に運転出来るようになったとのことです。後日、調子が良かったので、近くも見えるように遠近両用メガネを新調されました。