近用メガネとの付き合い方 (強度近視の方)

強度近視のお客様様 A様。男性の方48歳です。
 仕事で小さな文字(英文字)をパソコンに打ち込むのに長時間できない。近作業していると集中力がなくなる。仕事が楽にできるような眼鏡が欲しい。週末は山登りに行くが5〜10メートル先の山道の状況がわからない。歩きにくく遠くも困っているとご来店くださいました。 早速検査してみました。

ご使用メガネは右目= 近視− 8.00 左目=近視 − 8.50の強度の近視メガネでした。
1年ほど前にチェーン店で作られたそうですが、パソコン作業をすると見えにくく目が疲れるといった状況が強くあるそうです。
 使用メガネは0.6で遠くも見えにくく、近くも見にくい状態でした。
また、乱視が90度または180度ではなく、斜乱視になっているほど、必要性が高くなってきます。A様には、乱視と斜位も検出されました。
 一般に近視系の老視の始まった人は、正視系や、遠視系の人に比べると近見専用や遠近両用の眼鏡を必要と感じるのは遅いものです。その理由は、皆さんご存知のように、近視であれば大抵の場合、眼鏡を外しさえすれば近業が可能となるからです。ただし、両目の機能を使う両眼視はできていないので、目に負担をかけて、眼精疲労の原因になります。ゆえに近視系の方は、パソコンばかり1日中見られる方は別ですが、近業専用メガネを求めて来店される方は少なく、当然遠近両用レンズの累進を進めても、特に強度近視の方は外せば見えるとおつしゃいます。A様は「遠近なんてイヤだ。(近見の明視範囲が狭いのはダメ)普通のメガネで何とかして欲しい。」とのことでした。
 検査の結果 右目=近視ー8.50 乱視− 1.25 AX65  左目=近視− 9.00 乱視-1.50AX120 これで視力が1.0見えます。持参メガネは乱視が入ってなかった。矯正視力が0.6だった。
 強度近視の場合は低矯正で弱い目が良いと言う思い込みのようなものがあります。強度近視屈折の場合の眼位右下がり、左上がりに1mm傾くだけで1プリズムの光学的な上斜位が検出され見にくくなります。
 今回は、視力の向上と空間視の違和感との兼ね合いなど考慮して、プリズムを上下に1プリズム入れました。強度近視矯正メガネにおける調節効果(眼の調節を補う効果)は上記の度数に近用加入+100を入れることで、ある程度働き筋肉の緊張を和らげてくれます。ご本人の希望をお聞きし、パソコン作業のことも考慮して、遠近サポートメガネでお作りしました。出来上がったメガネをおかけになったときに、「こんなにハッキリと遠くのものを見たのは初めてだ。ピントが素早く合い手元が楽になった。」と言って喜ばれました。