トラバカ日誌 快進撃を続けれる要素は

 阪神タイガースは5月終了時時点で31勝15敗、勝ち越し16をつくり2位、巨人に4.5ゲーム差をつけセ・リーグ首位を快走している。佐藤輝明の驚異的なパフォーマンス、得点源となっているサンズ、マルテの活躍者を挙げればキリがない。チームのどこを切り取っても「噛み合っている」状態だ。ベンチワークでも代打、代走など矢野監督の采配が冴え渡リ、終盤で逆転に成功した試合もあった。ただ、1年間のその姿勢が続く事は、なかなか考えにくい。流れが変わってしまうとしたら選手の故障だと見て良い。特に毎日ラインナップに名を連ねる選手、登録されているチームの支柱選手がかければ、カバーするのはなかなか難しい。大きな歯車を失えば、様々な部分にほころびが出てくるのは容易に想像ができる。
 最初の試練は「4番」の離脱だった。開幕からその座に座っていた大山野手が背中の張りで5月6日に出場選手登録を抹消。すでに24打点をマークし、クラッチヒッター(好機に打線が回った際に特に活躍することの多い打者)として貢献してきた男を欠くことになった。
 踏ん張りどころを迎えた中、代役を託されたのは佐藤だった。広島戦で初めて4番に座り交流戦まで10試合連続で4番に座り、極端に数字を落とすことなく、役割を全うした。シーズンを戦う上で1つの分岐点となりそうな交流戦でも、2カードを終えた時点で3勝3敗。急失速する気配は感じられないが、今後へ向けて不安な部分を挙げるとすれば、不在となっている「7回の男」だろう。開幕から同ポジションを託された岩貞は防御率5点台となかなか状態が上がらず、無失点を続けている小林慶補も疲れ気味。調整を続ける藤波の中継ぎ再転向があるのか?…ガンケルやアルカンタラの先発組の転向も含めて首脳陣がどんなマネージメントをしていくかが注目だ。
 真価を問われる戦いはこれから待っている。